都築学園グループ

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2016年11月1日

都築学園グループ 総長 都築 仁子

創立六十年を迎える都築学園グループは、「個性の伸展による人生練磨」を一貫して建学の精神としてきました。

都築学園グループ校のパンフレットやキャンパス内で掲げているこの言葉は、「第一義諦」と呼ばれる仏教用語が由来となっており、この建学の精神を現代的に進展したものが「和魂英才」という言葉です。個人や地域そして国の持つ長所や美点、特質、いわゆる個性すなわち第一義的特性を理解し、確立する。その信念とも呼べる個性の確立があってこそ、グローバルという世界に出た際にアイデンティティを持って物事を理解できると思います。

「和魂英才」のベースとなった「和魂漢才」は、学園の発祥の地である福岡や太宰府と縁のある菅原道真公の「菅家遺誡(ゆいかい)」に始まる言葉であり、当時の大陸との関係において生み出された言葉です。それは明治維新へと承け継がれ、新政府により「和魂洋才」として西欧文明を受け入れる思想軸へと変化します。現代的に解釈した「和魂英才」は『国外のモノを理解し活用する為には、軸となる日本の魂が無ければならない』という、世界に羽ばたく日本人に向けたメッセージとして伝えています。

英語は、グローバル社会で活躍する際に必ず必要です。しかし、真には日本の事をより多く深く学び、そのうえで世界共通語のツールとして英語を学ぶという、順序が重要です。戦後無くなってしまった国学や国史といった国の歴史についても学び、日本という国が世界の中でどう生きてきたかを学び、将来に活かすべきではないでしょうか。

日本が伝統的に培ってきた固有のものが次の世代に受け継がれず、オンリーワンとしての価値や存在感が段々と減ってきているように思います。いまだに日本の美しさや強さ、素晴らしさを学んでいないために、「欧米が偉くて日本は駄目な国」だというコンプレックスを抱いている人が多いのではないでしょうか。

「世界中で、日本は、海外にない多くの美点や長所、知恵や尊い倫理や道徳を持っています。だからこそ日本という固有の文明に自信を持って世界に貢献する時が来ているのではないでしょうか。」

多くのオンリーワンの価値を持つ「日本よ!もっと自信と誇りをもって活躍しなさい」と改めて言いたいのです。

これからの日本は、ビジネス、観光客、移民など、海外から押し寄せる波を乗り越え、めまぐるしい変化をしていきます。世界という大海原で活躍するためには、まずは日本という国を十分に理解した上で、自己の確立と倫理観を持ち、ツールとしての英語を習得する。

この「和魂英才」の精神を忘れず、人生練磨を惜しまないで下さい。

学校法人 都築育英学園 理事長 都築 明寿香

都築学園グループが創立60周年を迎えるにあたり、これまでの歴史を振り返るとともに、身の引き締まる思いです。

1956年(昭和31年)にスタートした当時の教育は、高度経済成長を背景に、基礎学力の早期習得、効率重視の画一的な教育がほとんどでした。その現状を見兼ねた創始者が自ら教育機関を創設し、一人ひとりの個性や才能を伸ばす理想的な教育を行い、“子どもたちに自信をつけさせて社会に出したい”ということを大切に、人それぞれが持っている個性とは“プロフェッショナルな能力”であると捉えて、具体的なスキルや職業に従事できるような教育を行ってきました。

しかし、グローバル化が急激に進展する中で、教育環境も大きく変化し、学生が自信をつけるには、専門的な能力だけでなく、世界を見据えた教育が必要になりました。グローバル化が進めば進むほど大切になるのが、英語を日常的に使えること以上に、日本人としてのアイデンティティや人格をいかに醸成するかということだと考えています。どんなに知識があっても、複雑な議論になればなるほどに、自分なりの価値観や信条に基づく意見でなくては人として信用されません。

今、学生が自発的に学び、日本人としての自信と英語力を身に付けられる教育を導入すること。それが学園創設者の祖父や祖母が私に残したミッションではないかと思うようになりました。そこで、日本経済大学で進めているのが、学生が能動的に学ぶ「きっかけ」づくりです。学生一人ひとりの個性を伸ばすために、さまざまなプロフェッショナルな人や企業人との出会いを提供し気づきや発見の「プラットホーム」に大学がなれればいいと考えています。日本経済大学はそもそも留学生が多く、日本にいながらにして20カ国以上の国籍の人と知り合うことができる、希有なグローバル環境があります。

また、渋谷キャンパスには、アントレプレナー養成センター「ハッチェリー渋谷」というインキュベーション(起業支援)施設があります。ここからは多くのイノベーティブな企業が巣立って行きました。これらのインキュベーションに17年間携わった実績をもって、今後は海外に進出したいという日本のベンチャー企業と学生とのコラボレーションも考えています。これから革新的アイデアで世界に挑戦していく企業の成長を間近で見られる、という最高の『きっかけ』を提供することで、学生に新しい化学反応が起きればいいと考えています。

一方で単科大学ならではの強みを生かし、大手企業との教育連携も実現し、学生の人材育成、キャリア形成に力を注いでいきます。実際に、現場の声を聞くことは、学生たちにとって大いに刺激があることです。2017年以降は、さまざまな業種の経営者、実務担当者の方をお呼びしてエクスペリエンスラーニング(実学)の一環として進めていきたいと思っています。

先進国で最も早く、本格的な少子高齢化を迎えている日本。今後の貴重な労働力として期待されているのが留学生です。私たちは、彼らが祖国に帰国した時に、日本と祖国の架け橋となるような人材を育成することを目標としています。毎年、グローバルに活躍する日本人・留学生の卒業生のネットワークが構築されています。世界中に散らばる本学同窓生とメール一つで必ず繋がることができる。これほどのネットワークはまさに財産です。

今後、創立100周年を目指して、世界の第一線で活躍できるグローバル人材を育てるために、建学の精神を見据えつつ、都築学園グループは、絶えず前進し続けています。

総長告辞・式辞

2016.04.09

第61回福岡第一高等学校および
第53回第一薬科大学付属高等学校
入学式総長告辞

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2016.04.07

第49回日本経済大学入学式および
第42回福岡こども短期大学
入学式式辞

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